青

青は、遠くまで澄んで広がる色として、そして日本語ではまだ若く、育っていく途中の色として読まれてきた。晴れた空の色、沖の海の色。手の届かない遠くにある色でありながら、日本では青葉、青信号のように、芽吹いたばかりの緑までを「あお」と呼んできた。夢でも、縁起でも、タロットでも、青が出てくるところには「静かに見わたして、これから伸びていく」という筋が通っている。そこに、西洋では誠実と清らかさ、インドでは苦いものを飲みこんで守る神の色という読みが重なる。
青の夢
青が印象に残る夢は、夢占いでは心が落ち着いている時期の夢とされる。表しているのは、冷静さ、誠実さ、遠くへの憧れ、そして少しのさみしさ。
読み分けの鍵は、その青が遠くに広がっていたか、手元にあったか。空や海のように見わたすかぎり広がる青は、心に余白ができて、先のことを見通せるようになっている。服や花、石のように手元にある青は、自分の中の落ち着きや、人との信頼を表す。もう一つ、青ざめた顔や冷たい部屋のように寒さを感じる青は、気持ちが少し疲れて、温もりを欲しがっている。
青い空・青い海の夢
雲ひとつない青空の夢は、迷いが晴れて、進む先がはっきり見えている吉夢。真っ青な空の下を歩いていたなら、今の道で合っている。青い海が遠くまで広がっていたなら、気持ちに大きなゆとりができている。空と海の青がひと続きに見えた夢は、願っていることと実際の暮らしが、無理なくつながり始めている知らせ。→ 海、富士山
青い光の夢
青白い光、青く光る何かに引き寄せられる夢は、心が静まって、直感が冴えている時期。目を閉じても青い光が残っていたなら、自分の内側の声がよく聞こえている。光が冷たく感じられたなら、ひとりで考えすぎていないかを見る。
青信号の夢
信号が青に変わる夢は、止まっていたことが動き出す知らせ。青になっても渡れなかった夢なら、準備はできているのに、踏み出すきっかけを待っている。日本の信号の「青」は、もともと緑の光だった(下の「日本の縁起」)。進んでいいという色は、芽吹いた若葉の色でもある。
青い服・青い着物の夢
自分が青い服を着ていたなら、人から信頼され、落ち着いて物事を任される時期。好きな人が青い服で出てきたなら、その人の気持ちは穏やかで誠実。青い着物は、藍染の着物に通じる、長く続く縁の色(下の「日本の縁起」)。
青い目の人・猫・赤ちゃんの夢
青い目は、遠くまで見通すまなざし。青い目の人に見つめられる夢は、自分では気づいていない面を見抜いてくれる人が現れる。青い目の猫は、澄んだ直感が冴えてくる。青い目の赤ちゃんは、まだ誰も見たことのない新しい考えや計画が生まれかけている。→ 猫、赤ちゃん、目
青い生き物の夢
- 青い鳥:幸せの知らせ。→ 鳥
- 青い蝶:遠くにあった願いが近づく。→ 蝶
- 青い龍:東と春の守り神、始まりと成長の夢。→ 龍
- 青い蛇:日本の青大将は、家に住みついて守る蛇とされてきた。青い蛇の夢は、身近なところに守りの力がある。→ 蛇
青い炎・青い月の夢
青い炎は、表に見えない静かで強い意志。→ 火。青い月を見上げる夢は、しばらく会っていない人を思う気持ちが満ちてきている。→ 月
顔が青い人・青い部屋の夢
顔の青い人が出てくる夢は、その人か自分のどちらかが、気を張りつめて疲れている。青い部屋に一人でいる夢は、静かに考える時間が要る時期。怖さより落ち着きを感じたなら、その部屋はもう休む場所になっている。
現実で青いものに出会ったとき
- 信号が続けて青だった:スピリチュアルでは、流れに乗っているしるしと受け取られる。その日に決めたことは、迷わず進めていい
- 青いトンボ:トンボは前にしか飛ばず、「勝ち虫」と呼ばれてきた。青いトンボが近くに止まったなら、落ち着いて進む力が出ている
- 青い羽根を拾った:空の色をした羽根は、遠くからの便りが近づいているしるしとして読める。手帳や財布にしまっておいていい
- 青い光が写真に写った・見えた:神社で写ったなら、静かに迎えられているしるしとされる。部屋の暗がりで見えた青い光は、心が澄んで、見守る存在に気づきやすくなっている合図として受け取られてきた
日本の縁起
日本の古い色の名前は、あか・くろ・しろ・あおの四つが中心だった。「あお」は、今の青より広く、緑や、青みがかった灰色までを含んでいた。青葉、青菜、青りんごがどれも緑なのはそのため。
- 青信号:1930年に日本で初めて今のような信号機が置かれたとき、法令での名前は「緑色信号」だった。人々が「青信号」と呼び続けたので、1947年には法令も「青」に改められた。緑の光を青と呼ぶのは、若葉を「青葉」と呼んできた日本語の感覚から。→ 緑
- 青馬(あおうま)の節会:平安時代、正月7日に宮中で馬を見て一年の邪気を払った行事。のちに「白馬」と書くようになっても「あおうま」と読むのは、古くは「青馬」と書いていたから。→ 白、馬
- 藍より青し:中国の『荀子』の「青は藍より出でて藍より青し」から、弟子が師を超えることを「出藍の誉れ」という。緑の藍の葉から、それより深い青が生まれる
- 藍染と勝色:藍で濃く染めた紺を「勝色(かちいろ)」と呼び、「勝つ」に通じる色として武士が武具や旗に用いた。藍は虫を寄せつけないとされ、野良着や鎧の下着にも使われた。明治のはじめ、日本の町が藍色にあふれているのを見たイギリスの化学者アトキンソンは、この色をジャパン・ブルーと呼んだ
- 青い財布:水の色として、お金が流れていくのを嫌って避ける人もいれば、冷静にお金を扱う色として選ぶ人もいる。→ 財布
タロットの青
ウェイト版では、青は静かな知恵と、遠くへの憧れの色として描かれる。
- 女教皇:白と黒の柱の間に座る女性が、青い衣をまとう。ウェイトは、そのマントは光を思わせる、ゆらめく輝きだと書いた。衣の裾は、足もとで水の流れのように広がる。青い光の夢や、静かに考える時期の札
- 愚者:崖の縁に立つ若者。絵の空は黄色だが、ウェイトは解説で、若者は足もとの景色より「青い遠く」、その先に広がる空を見わたしている、と書いた。青空の夢を見た日にこの札が出たなら、見上げている先へ、軽い足取りで出ていい
青い部屋にひとりでいる夢のあとに 女教皇 が出たなら、その静けさは、答えが自分の内側から浮かんでくるのを待つ時間。
世界の象徴としての青
- 青龍:中国の四神で、東と春を守る。五行では「木」にあたり、ここでの青は草木の芽吹く色。→ 龍、緑
- 聖母マリアの青:中世からルネサンスの絵では、聖母のマントがよく青で描かれた。その青、ウルトラマリンは、アフガニスタンの山でしか採れないラピスラズリを砕いて作る顔料で、金に並ぶほど高価だった。いちばん尊い人に、いちばん尊い青を着せた
- サムシングブルー:イギリスの花嫁の言い伝え「何か古いもの、何か新しいもの、何か借りたもの、何か青いもの」。青は、清らかさと誠実のしるし
- シヴァの青い喉:インドの神話で、神々と魔族が乳の海をかき回したとき、世界を焼きつくす毒が湧き出た。シヴァはそれを飲みこんで三つの世界を守り、喉が青く染まった。それでシヴァは「ニーラカンタ(青い喉の者)」と呼ばれる
- ナザール・ボンジュウ:トルコの青い目玉のお守り。→ 目
藍の甕から引き上げた布は、はじめ緑がかっていて、空気に触れるうちに青に変わっていく。何度も浸しては引き上げて、やっと深い勝色になる。夢の中の青がまだ浅かったなら、その色はこれから重ねて濃くなっていく。

関連する項目
緑・白・黒・赤・金色・海・龍・鳥・蝶・蛇・火・月・目・猫・馬・富士山・財布
今日の一枚
大アルカナから一枚。
