目

夢の目は、今の自分が何を見ようとしていて、何から目をそらしているかを映すものとして読まれる。目は物を見る器官であり、「目は口ほどに物を言う」と言うように、心がいちばん先に表れる窓でもある。夢の目は、大きく二通りに出てくる。自分の目がよく見えていたか、見えなかったかの夢と、誰かの目に見られていたか、目が合ったかの夢。見えない夢も、見られる夢も、見る力が入れ替わろうとしている途中に出てくる。
目が夢に出てくる意味
夢占いでは、目は物事を見抜く力、判断、心の向きを表す。目がよく見える夢、澄んだ目の夢は、先の見通しが立ち、人の本心が分かる時期。反対に、見えない・開かない・痛い夢は、見たくないものがあるか、今の見方では追いつかないことが起きている知らせになる。
読み分けの鍵は三つ。
- 見えていたか:はっきり見えたか、ぼやけたか、まったく見えなかったか
- 誰の目か:自分の目か、相手の目か。相手の目なら、その人がどんな目つきだったか
- 目が覚めたときの気持ち:ほっとしたか、まだ怖かったか。ほっとしたなら、夢の中で一度見えなくなったことで、何かを見直せている
状況ごとの読み
目が見えない・見えなくなる夢
急に目の前が暗くなる夢は、先の見通しが立たず、どちらへ進むか迷っているときに見る。見えないまま手探りで歩いていたなら、目以外の感覚、つまり勘が頼りになる時期。誰かに手を引いてもらったなら、その人が今の道案内。見えなくなってから、また見えるようになった夢は、迷いの時期を抜けて、新しい見方を手に入れる夢。→ 迷う
片目だけが見えなくなる夢は、物事の片側しか見ていない知らせ。見えなくなった側に、気づいていない事情がある。
目が開かない・開けられない夢
まぶたが重くて開かない夢は、見ることに疲れている夢。見なければならないことが多すぎて、心が少し目を閉じて休みたがっている。昼寝のときや、金縛りのような状態で見ることも多い。無理に開けようとせず、目が覚めたら、目を閉じてゆっくり休む時間を作る。開いた瞬間に光が差し込んだなら、答えはもう近くにある。
目が痛い・目にゴミが入る夢
目が痛い夢は、見るのがつらいものを、見続けている知らせ。人の言動や、自分の置かれた状況。目にゴミが入る夢は、小さな引っかかりが気になって、全体が見えにくくなっている。ゴミが取れてすっきりしたなら、その引っかかりはもうすぐ解ける。
目から何かが出てくる夢
目から涙以外のものが出てくる夢は、見た目が不気味で検索されやすい。夢占いでは、目から出ていくものは、見てきたものの中で、溜め込んでいたもの。虫が出てくる夢は、心に巣くっていた小さな不安が出ていく夢で、出きったなら目の前が晴れる。目から血が出る夢は、見てきたことへの強い悲しみや怒りが、血の形で外へ流れている夢。→ 血
目玉が取れる・飛び出る夢
目玉がぽろりと取れる夢は、今までの見方が外れる夢。信じていたものの見え方が変わる。取れた目玉を拾ってはめ直したなら、見方を自分で選び直せる。飛び出るほど目を見開いた夢は、驚くような知らせが届く。
目を怪我する・刺される夢
目を怪我する夢、何かで刺される夢は、人の言葉や視線に傷ついている知らせ。家族や他人が目を怪我する夢は、その人が何かを見落としていると、自分が感じている夢。
目が赤い・金色の目の夢
自分の目が赤く充血している夢は、見ることに気持ちを使いすぎて熱がこもっている。赤い目の生き物が出てくる夢は、強い力に見つめられている夢で、白い蛇の赤い目なら、神の使いに見守られている。目が金色に光る夢は→ 金色。→ 赤、蛇
目が合う夢
好きな人と目が合う夢は、気持ちが通じ始めている夢。目は口ほどに物を言うので、夢の中で目が合ったなら、言葉にする前の気持ちがもう行き来している。知らない人や知らない異性と目が合う夢は、これから出会う人の知らせか、自分の中のまだ知らない一面と向き合う夢。→ 好きな人、知らない人
視線を感じる・見られている夢
誰かに見られている夢、冷たい視線を感じる夢は、人からどう見られるかを気にしている知らせ。見ている相手が分からないなら、見ているのは自分自身の厳しい目。見られていても嫌な感じがしなかったなら、見守られている夢。→ 幽霊
目がたくさんある・目が一つしかない夢
壁や空にたくさんの目が浮かぶ夢は、人目や評判を強く意識している夢。昔の日本では、たくさんの目は魔を追い払う側に立った(下の「事八日」)。目が一つしかない人や生き物の夢は、一つのことだけを見つめている自分の姿で、集中する時期か、視野を広げる時期かの分かれ目にいる。
第三の目が開く夢
額の真ん中に目が開く夢は、直感が冴えてくる夢。目で見えないものが分かるようになる。インドの伝統では、眉間はアージュニャー・チャクラの場所とされ、そこに「第三の目」がある(下の「世界の目」)。
目薬をさす・コンタクトを入れる夢
目薬で目がすっきりする夢は、見方を整え直す夢。コンタクトを入れる夢は、よく見えるように自分で工夫している夢で、合わずに痛かったなら、無理に合わせている見方がある。
日本の言い伝え
- 目は口ほどに物を言う:気持ちのこもった目つきは、口で話すのと同じくらい気持ちを伝えるということ。江戸時代の『柳多留拾遺』に出てくる
- だるまの目入れ:願いをかけて片方の目を描き入れ、かなったらもう片方を入れる。縁起だるま発祥の寺とされる群馬県高崎市の少林山達磨寺では、向かって右側の目から入れるのが作法とされる。まだ半分しか見えていないだるまは、願いの途中の姿
- 事八日の目籠:2月8日と12月8日の「事八日」には、一つ目小僧がやってくると言われ、長い竿の先に目の粗い籠を掲げて軒先に立てた。一つ目の化け物は、籠のたくさんの目に怖れをなして近づかない
- 猪目:ハートに似た形の文様で、猪の目に由来するとされる。魔除けと招福の意味をもち、寺社の屋根の懸魚や、飾り金具に使われてきた。→ 神社
- 厠神は目が見えない:トイレの神は目が見えないとされ、入るときには咳払いをして知らせた。→ トイレ
- 画竜点睛:壁に描いた龍に瞳を入れると、龍は天へ昇った。→ 龍
世界の目
- 邪視とナザール・ボンジュウ:地中海から中東にかけて、羨みのまなざしは人に災いを呼ぶ「邪視」と考えられてきた。トルコでは、青いガラスに目を描いたナザール・ボンジュウを子どもの服に留め、家の壁や車の中に下げて、その視線をはね返す。人をほめるときには「マーシャッラー(神が望まれたこと)」と言い添えて、ほめ言葉が邪視を呼ばないようにする
- ホルスの目:エジプト神話で、天空の神ホルスは、セト神との争いで目を傷つけられ、知恵の神トトがそれを癒した。癒された目は「ウジャト(完全なもの)」と呼ばれ、欠けてはまた満ちる月とも結びつけられた。古代エジプトで最も好まれた護符のひとつ
- シヴァの第三の目:ヒンドゥーの神シヴァは額に第三の目をもつ。瞑想を乱そうと花の矢を向けた愛の神カーマを、シヴァは第三の目から放った炎で焼いた
タロットでは
- ソードの2:目隠しをした女性が、二本の剣を胸の前で交差させて座る。目が見えない夢、開かない夢と同じ姿。ウェイトはこの札に、釣り合いや勇気と並んで「優しさ、愛情、親しさ」という読みも挙げた。見えないまま保たれている均衡は、張りつめていても、まだ誰かを思う心の中にある
- 魔術師:ウェイトは魔術師を、自信に満ちた笑みと「輝く目」をもつ若者と書いた。目がよく見える夢、澄んだ目の夢と重なる札
- 審判:天使のラッパに応えて、人々が棺から起き上がる札。ウェイトはこの札について、「内なる目をもつ者は、見て、見いだせ」と書いた。第三の目が開く夢を見た日にこの札が出たなら、閉じていた目が、ラッパの音で開く朝が来ている

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大アルカナから一枚。
