龍

龍は、水を呼び、天に昇る力として読まれてきた。雲を起こして雨を降らせ、池や川の底から空へ駆け上がる。夢でも、日本の縁起でも、龍が出てくるところには「大きな流れに乗って、上へ行く」という筋が通っている。蛇がひと皮ずつ脱いで新しくなる生き物なら、龍はその先で空へ抜けた姿。東洋では天の恵みと出世、西洋では打ち倒すべき大きな力として描かれてきた。
龍の夢
龍の夢は、夢占いのなかでも最上の吉夢のひとつとされる。表しているのは、運気の上昇、大きな後ろ盾、目上の人からの引き立て、そして自分の中に眠っている力。
読み分けの鍵は、龍がどちらへ向かっていたか。空へ昇っていく龍なら、運が上向く流れのなかにいる。自分のほうへ降りてくる龍なら、力や助けが外から届く。どちらでも、龍が姿を見せたこと自体が、ふだんより大きなものと縁がつながった合図になる。
白い龍の夢
白い龍は、龍の夢のなかでもいちばん清らかな吉夢。白は神の使いの色で、白い龍は守護と浄化を表す。迷いが晴れる、こじれていたことがほどける、という知らせ。白い龍が水の中を泳いでいたなら、気持ちが澄んで、次に進む準備が整っている。→ 白、水
金色の龍の夢
金運の夢として、龍の夢のなかでも特に喜ばれる。お金そのものに加えて、これまでの努力がまとまった形で返ってくる流れを表す。金の龍が光っていたなら、受け取るものが大きい。→ 金色、お金
黒い龍の夢
黒い龍は、表に出ていない強い力を表す。自分の中の怒りや野心であることも、まだ形になっていない大きな運であることもある。怖いと感じたなら、その力をまだ扱いかねている。黒い龍が静かにこちらを見ていたなら、その力はすでに自分の味方についている。→ 黒
青い龍・赤い龍・銀の龍の夢
- 青い龍:東を守る青龍の色。始まりと成長の夢で、新しいことを始める時期に見る。→ 青
- 赤い龍:情熱と行動力。恋愛や仕事で、自分から動くと道が開く。→ 赤
- 銀の龍:直感と冴え。考えるより先に分かることが増える時期。
龍が空を昇る・飛んでいる夢
昇り龍の夢。仕事、学び、立場が、ひと段階上がる流れに入っている。龍が雲を突き抜けていったなら、長く越えられなかった壁を越える。昇る龍を下から見上げていた夢は、目標がはっきり見えてきた知らせ。→ 飛ぶ
龍に乗る夢
龍の夢のなかでも、いちばん力強い夢。大きな流れを自分で乗りこなす時期に来ている。怖がらずに乗れていたなら、その力はもう自分のもの。振り落とされそうだったなら、勢いに任せすぎず、手綱を握り直す時期。
龍に襲われる・龍と戦う夢
怖い夢だが、凶夢ではない。向き合っているのは、自分より大きく見える課題や相手。龍と戦って勝った夢は、その壁を越える知らせ。逃げていた夢なら、力を受け取る準備がまだ整っていないだけで、次に見る夢では龍の様子が変わる。→ 追いかけられる
龍が玉(宝珠)を持っている夢
龍が手にしている玉は、願いを叶えるとされる如意宝珠。玉を持った龍の夢は、願いごとが形になる知らせ。玉を渡される夢なら、なおさら。
鯉や蛇が龍になる夢
努力が実る夢。鯉が滝を登って龍になる「登竜門」の話(下の「日本の縁起」)と同じ像で、試験や昇進の前に見ると心強い。蛇が龍になる夢も、大きな出世の夢とされる。→ 鯉、蛇
龍の夢と宝くじ・恋愛
龍の夢を見たあとに宝くじを買う人は多い。金色や白の龍なら、運試しをしてみる時期として受け取っていい。恋愛では、龍は引き立てと縁の夢。尊敬できる相手や、自分を一段引き上げてくれる相手との縁が近い。→ 宝くじ
現実で龍に出会ったとき
- 龍に見える雲(龍雲)を見た:龍神が近くにいる合図とされる。見上げたときに願いを心の中で唱える人も多い。何度も見かけるなら、流れが上向いている時期
- 神社で龍に目が留まった:手水舎の水口には龍が多い。龍は水をつかさどるので、手と口を清める水の番をしている。そこで足が止まったなら、呼ばれている。→ 神社
- 龍の置物を置く:風水では玄関などに置いて、運気を呼び込むとされる
日本の縁起
日本で龍が縁起物なのは、水の神とされてきたから。雨を降らせ、田を潤し、火を鎮める。
- 龍神:池や川、海の神として各地に祀られる。平安時代の824年、日照りの年に空海が京都の神泉苑で雨乞いをし、善女龍王を呼んで雨を降らせたという言い伝えがある
- 登竜門:中国の黄河にある急流「龍門」を登りきった鯉は龍になる、という伝説から。『後漢書』に出てくる言葉で、日本の鯉のぼりにも、この願いが込められている
- 寺の天井の龍:禅寺の法堂の天井には龍がよく描かれる。仏の教えを雨のように降らせ、水の神として建物を火から守る。日光山輪王寺の薬師堂(本地堂。東照宮の境内にある)の天井の龍は、真下で拍子木を打つと鳴くように響くことから「鳴龍」と呼ばれる
- 九似:龍の姿は九つの生き物からできているとされる。角は鹿、頭は駱駝、眼は鬼、首は蛇、腹は蜃(大はまぐり)、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛。どの生き物の力も持っている、ということ。→ 鹿、牛、虎
- 辰年:十二支の5番目で、十二支のうち唯一の想像上の生き物。2024年が辰年で、次は2036年
タロットの龍
ウェイト版の大アルカナに、龍そのものは描かれていない。ただ、龍の読みと重なる札がある。
- 運命の輪:輪の左側を蛇の姿のテュポーンが下り、右側をジャッカルの頭をしたヘルマヌビスが昇っていく。昇り龍と降り龍のように、上下する流れそのものを描いた札。龍の夢を見た日にこの札が出たなら、流れが変わる時期
- 力:白い衣の女性が、ライオンの口にそっと手を添えている。大きな力を、力ずくでなく御する姿。龍に乗る夢と同じことを言っている
- 星:女性が二つの水差しから、池と大地に水を注いでいる。水をもたらし、大地を潤す恵みの札で、水の神としての龍に近い
世界の象徴としての龍
- 中国の龍:皇帝の象徴。四方を守る四神では、青龍が東と春を受け持つ。西を守るのは白虎
- 画竜点睛:最後に瞳を描き入れると、絵の龍が天に昇ったという中国の故事から。仕上げの一筆で、全体が命を持つ
- 逆鱗:龍の喉元に一枚だけ逆さに生えた鱗。触れると龍が怒るとされ、目上の人の怒りを買うことを「逆鱗に触れる」と言う
- 西洋のドラゴン:聖ゲオルギウスの竜退治のように、英雄が打ち倒す相手として描かれることが多い。宝を守る番人でもある
東洋では天の恵みを運ぶもの、西洋では越えるべき試練。どちらでも、龍は人がひとりでは届かない大きな力として、ここ一番の場面に現れる。

関連する項目
蛇・鯉・白・金色・黒・青・赤・水・雨・神社・神様・虎・宝くじ・飛ぶ
今日の一枚
大アルカナから一枚。
