血

夢の血は、体の中を巡っている命とお金が、外へ動き出したしるしとして読まれる。見た目は怖くても、夢占いでは吉夢とされることが多い。血は体じゅうを休まず巡るもので、その巡りが生命力にも、お金の流れにもなぞらえられてきた。読み分けのいちばんの鍵は、血の色と勢い。鮮やかな赤で勢いよく流れていたなら、滞っていたものが流れ始めた。黒ずんでいた、固まっていたなら、まだ流れきっていないものが残っている。
血が夢に出てくる意味
夢占いでは、血はエネルギーと金運を表す。たまっていた力が外へ出る、思いがけないお金が入る、気持ちが大きく動く。血が出る夢を見たあとに、止まっていた話が急に進むことがあるのは、この「巡り出す」働きによる。
読み分けの鍵は三つ。
- 色と勢い:鮮やかな赤か、黒ずんでいたか。噴き出していたか、にじむ程度だったか
- 誰の血か:自分の血は自分の力とお金、人の血はその人との間で動いているもの
- 痛みと気持ち:痛くなかった、どこかすっきりしていたなら、手放すものを手放せている。痛くて怖かったなら、気持ちのほうが先に削れている
赤い血の色の読みは→ 赤
状況ごとの読み
血が出る・血を流す夢
指や手、足から血が出る夢は、力を外に出す時期の知らせ。手や指は、仕事やものを作る力。そこから血が出たなら、手がけていることにいよいよ力が注がれる。足なら、動き出す力。頭から血が出る夢は、考えすぎてこもっていた熱が抜けていく夢で、出たあとに頭が軽くなっていたなら、迷いが晴れる。
血が止まらない夢
止めようとしても止まらない夢は、慌てて目が覚めることが多い。夢占いでは、流れる量が多いほど、入ってくるものも大きい。止まらない血は、自分でも抑えきれないほどの力とお金の巡り。一方で、流れっぱなしで心細かったなら、人のために力を使いすぎている。受け取る側に回っていい。
鼻血が出る夢
血の夢のなかでも、とくに金運の吉夢とされてきた。鼻血がたくさん出るほど、入ってくるお金も大きいと読む。勢いよく出た鼻血は臨時収入、恋の高まりの知らせでもある。固まった鼻血なら、お金の流れがどこかで止まっている。財布や通帳の中を見直すと、流れが戻る。→ 宝くじ、お金
血を吐く・吐血する夢
口から血を吐く夢は、胸に溜めていた言葉や感情を吐き出して軽くなる夢。夢の中で吐いたあとに楽になっていたなら、言えずにいたことを外に出せる時期が来ている。苦しいまま目が覚めたなら、言葉にできないものがまだ胸につかえている。家族や母親が血を吐く夢は、その人が抱えこんでいることに、自分が気づいている夢。→ 母親
口の中が血だらけになる夢
歯や歯茎から血が出て、口の中が血でいっぱいになる夢。口は言葉とお金の入り口。言いたいことを飲み込んでいる知らせで、同時に、口に入るもの、つまり収入が動き出す知らせでもある。→ 歯
血まみれ・血だらけになる夢
自分が血まみれになる夢は、見た目がいちばん怖い。けれど夢占いでは、全身が血に染まる夢は大きな力に包まれる夢で、運が一度に動く吉夢とされる。手だけが血まみれなら、自分の手でやり遂げたことの手応え。顔が血だらけなら、人から見た自分の印象が大きく変わる。事故や、誰かに襲われる場面で血まみれになった夢は、それぞれの項目に読みがある。→ 事故、殺される
他人・家族が血を流す夢
知り合いや家族が血を流している夢は、その人との間で、お金や気持ちのやり取りが動く知らせ。その人に助けられる、あるいはその人を助ける場面が近い。知らない人の血なら、自分でもまだ知らない自分の一面が動き出している。→ 知らない人
猫や犬が血を流す夢
飼っている猫や犬が血を流す夢は、飼い主をいちばん不安にさせる。夢の中の動物は、自分の中の素直な気持ちの姿。血を流していたのは、自分が我慢して押さえている気持ちが、動物の姿を借りて出てきたもの。→ 猫、犬
生理になる夢
生理が来る夢は、溜まったものを流して、体も気持ちも新しくなる夢。夢占いでは浄化とやり直しの知らせとされる。量が多かったなら、それだけ大きく入れ替わる時期。経血が漏れる夢、トイレが血だらけになる夢は、隠しておきたい気持ちが外に出そうになっている夢で、恥ずかしさが残っていても、心の中は軽くなっている。→ トイレ
妊活中や妊娠中に見る生理の夢は、待つ気持ちの強さがそのまま夢に出てきたもの。体の知らせとしてではなく、張りつめてきた気持ちがいったん流れて、力が戻ってくる夢として受け取っていい。→ 妊娠
輸血する・輸血される・献血する夢
輸血される夢は、人から力をもらう夢。助けてくれる人が現れる。自分が献血する、誰かに血を分ける夢は、自分の力が人の役に立つ時期。分けたあとに気分がよかったなら、与えたものは形を変えて返ってくる。
血にまつわる言葉
日本語には、血を気持ちや縁の言葉として使う言い回しが多い。
- 血が騒ぐ:戦いや祭りを前に、気持ちが高ぶって落ち着かないこと
- 血が通う:形だけでなく、人の温かさがこもっていること
- 血は争えない:親から子へ受け継いだ性質は、隠そうとしても表に出ること
夢の血がどれにあたるかを考えると、読みがつかみやすい。祭りの前のような高ぶりなら「騒ぐ」血、家族の夢なら「争えない」血。
日本の言い伝え
- 赤不浄:日本では昔から、血は神が遠ざけるものとされ、月経やお産の血、けがの出血を「赤不浄」、死を「黒不浄」と呼んだ。この間は祭りに加わることや、神社へのお参りを控える習わしがあった。不浄は時が経てば明けるもので、定められた日数が過ぎれば、ふたたび人の輪に戻った
- 血判:神仏に誓いを立てる起請文には、名前の下に自分の血で判を押した。今に残るいちばん古い血判は、1338年の菊池武重の起請文とされる。実際には、薬指の先を軽く切って血を出し、それを親指に付けて押した。自分の命の一滴を、誓いの証にした
- 血縁:同じ血を引く者どうしを「血縁」「血筋」と呼ぶ。家族の血の夢は、この縁の夢でもある。→ 祖母、祖父
世界の言い伝え
- 血は水よりも濃い:英語のことわざで、家族の縁は他のどんな縁よりも強いという意味。12世紀ドイツの動物叙事詩『ラインハルト狐』にある「親族の血は水で損なわれない」が、古い形とされる
- 最後の晩餐の杯:新約聖書で、イエスは弟子たちに杯を回し、「これは、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である」と言った(マルコによる福音書14章)。キリスト教の聖餐では、杯のぶどう酒が命を分け合うしるしになる
タロットでは
ウェイト版に、血を主題にした札は無い。血の夢と読みの重なる札を挙げる。
- ソードの3:三本の剣が一つの心臓を貫き、背後には雲と雨。傷ついた心の札で、血が出て痛かった夢と同じ場面を描いている。この札が出た日は、痛みを雨に流すように、泣いていい日
- ソードの10:赤い布をかけて伏せた人の背に、十本の剣が刺さっている。黒い空の下、遠くの地平だけが明るい。見た目がいちばん恐ろしい札だが、ウェイトはこれを、とりたてて非業の死の札ではないと書いた。血まみれの夢と同じく、見た目の怖さと中身は別で、底まで来たものはここから上がっていく
- カップのエース:雲から出た手が杯を捧げ、杯から五筋の水があふれ(ウェイトの解説書では四筋と書かれている)、鳩が聖体のパンをくわえて降りてくる。ウェイトはこの札の意味に「聖なる食卓」「まことの心の家」「豊かさ」を挙げた。血を分ける夢、輸血の夢を見た日にこの札が出たなら、分け合った命が、杯からあふれる水のように戻ってくる

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大アルカナから一枚。
