黄色

黄色は、春の菜の花と、秋の稲穂の色として読まれてきた。冬が明けていちばんに野を染める色であり、一年の終わりに田を染める実りの色でもある。夢でも、縁起でも、黄色が出てくるところには「明るい方へ、気持ちが向き直る」という筋が通っている。そこに、日本では金運と人の縁、中国では天下の中心に立つ皇帝の色という読みが重なる。
黄色の夢
黄色が印象に残る夢は、夢占いでは明るい吉夢とされることが多い。表しているのは、希望、楽しさ、人とのにぎやかな縁、そしてお金の巡り。
読み分けの鍵は、その黄色が春の黄色だったか、秋の黄色だったか。菜の花やたんぽぽ、ひよこのように、若くて軽やかな黄色は、新しいことが芽吹く知らせ。人との出会いや、気持ちの切り替えが近い。稲穂や銀杏、熟れた果物のように深みのある黄色は、これまでのことが実って、受け取る時期に来ている。実りの読みを詳しく知りたいなら → 金色
黄色い花の夢(菜の花・ひまわり・たんぽぽ)
一面の菜の花畑は、心が晴れて、春が来る夢。長く続いた重たい時期が明けていく。ひまわりは、太陽をそのまま地上に咲かせたような花。大きなひまわりの夢は、明るい人のそばで自分も明るくなれる時期で、憧れの人に近づける。たんぽぽは、小さな幸せが方々に散っていく夢。綿毛になっていたなら、その幸せを人に分ける番。黄色い蓮は → 蓮
黄色い服の夢
自分が黄色い服を着ていた夢は、人を惹きつける明るさが表に出ている時期。会話が弾み、新しい友達や仲間ができやすい。異性が黄色い服で出てきたなら、その人とは気負わずに話せる、楽しい関係が始まる。
黄色い光・黄色い空の夢
やわらかな黄色い光に包まれる夢は、気持ちがほどけて、元気が戻ってくる知らせ。空が一面黄色く染まっていた夢は、景色ががらりと変わるほどの気分の切り替わり。まぶしすぎて目を開けていられなかったなら、張り切りすぎているところを少し休めていい。
ひよこ・黄色い鳥の夢
ひよこは、生まれたばかりの計画や関係。たくさんのひよこなら、小さな始まりが一度にいくつも動き出す。卵からひよこがかえる夢は、温めてきたことが形になる。黄色い鳥やインコは、楽しい便りが届く夢。→ 鳥、卵
黄色い蛇の夢
金運の夢として喜ばれる。金色の蛇ほど大きな財ではなく、日々のお金が明るく回りはじめる知らせ。黄色い蛇に噛まれる夢は、思いがけない臨時収入や、急に舞い込む誘い。→ 蛇
黄色い車の夢
黄色い車を運転する夢は、楽しみながら物事を進められる時期。タクシーのような黄色い車に乗せてもらう夢は、人の助けで目的地へ近づく。→ 車
現実で黄色に出会ったとき
- 黄色い蝶をよく見る:明るい便りの使いとされる。何度も目の前を横切るなら、気持ちが晴れる出来事が近い。→ 蝶
- 黄色いてんとう虫(キイロテントウ):葉を白くするうどんこ病の菌を食べる、小さな黄色いてんとう虫。見かけると大きな幸せが来る、支えてくれる人が現れる、と言われる。黒いてんとう虫は → 黒
- 黄色い車をよく見る:楽しいことが向こうからやって来る合図として受け取られる
- 黄色いものを贈られた:黄色は人の縁を明るくする色とされる。ハンカチや花を贈られたなら、その人との仲が一段打ち解ける
黄色は本当に金運の色か
「黄色は金運の色」という話は、日本ではDr.コパ(小林祥晃)の「西に黄色」で広く知られるようになった。西は実りの方角で、実りの色は頭を垂れた稲穂の黄色。だから西に黄色いものを置くと金運が上がる、という読み。黄色い財布、西の窓辺の黄色い花、黄色い袋に入れた宝くじは、この流れにある。→ 財布、宝くじ
中国の古い五行の考えでは、黄色は「土」の色で、東西南北の真ん中にあたる。金運の色というより、すべてを支える中心の色だった。
日本には、もうひとつ黄色とお金を結ぶ言葉がある。山吹色。山吹の花の色で、江戸時代には小判のことを山吹色と呼んだ。菓子折りの底に小判を敷いた賄賂を「山吹色のお菓子」と言ったのはそこから。黄色がお金を呼ぶ読みは、風水が入ってくる前から、小判の色として暮らしの中にあった。→ お金
日本の縁起と言い伝え
- 冠位十二階の黄:聖徳太子の時代の十二の位で、紫・青・赤・黄・白・黒のうち、黄は「信」の位の色。人との信頼を表す位に黄色が置かれた。→ 紫
- 黄道吉日:何ごとをするにもよいとされる日。黄道は、空を太陽が通っていく道のこと。陰陽道で、青龍・明堂など六つの吉の星がめぐる日を指した
- 黄泉:『古事記』でイザナギが亡き妻を訪ねた死者の国。字は中国の言葉で「地下の泉」を指し、黄は土の色を表す。「よみ」という読みは日本の言葉で、闇(やみ)や山(やま)に近い語とされる。黄色が死の色というわけではなく、土の下の国を中国の字で書き表した名。→ 亡くなった人
- 幸福の黄色いハンカチ:1977年の山田洋次監督の映画。刑期を終えた男が、まだ待っていてくれるなら竿に黄色いハンカチを掲げてくれと妻に手紙を出し、北海道・夕張の家へ向かう。この映画から、黄色いハンカチは「待っている」「おかえり」のしるしになった
タロットの黄色
ウェイト版では、黄色い空や黄色い背景の札がいくつもある。まだ何も書かれていない朝の光のような色。
- 愚者:黄色い空の下、黄色いブーツの若者が崖の縁から空を見上げている。菜の花の夢と同じ、始まりの軽さ。→ 靴
- 魔術師:黄色一色の背景の前で、片手を天に、片手を地に向けて立つ。思いついたことを形に移す力
- 力:黄色い空の下、白い衣の女性がライオンの口にそっと手を添える。明るさと優しさで、荒いものを落ち着かせる
- 太陽:塀の上に並んで咲くひまわり。黄色い花の夢と同じ明るさの札。→ 太陽
ひまわりや菜の花の夢を見た日に 愚者 が出たなら、夢と札が同じ一歩目を指している。
世界の象徴としての黄色
- 皇帝の黄:五行で黄色は中央の色。中国では唐の高宗のころ庶民が黄色をまとうことが禁じられ、清では明るい黄色(明黄)が皇帝と皇后たちだけの色になった。伝説の始祖の名も黄帝
- インドのハルディ:ヒンドゥーの結婚式の前に、新郎新婦の肌にターメリック(ウコン)の黄色いペーストを塗る。魔を払い、ふたりの門出を祝福する
- 黄色いリボン:1971年にニューヨーク・ポストに載ったピート・ハミルのコラム「Going Home」は、帰りを待つしるしに木に結ばれた黄色い布の話。同じ話から、日本では黄色いハンカチの映画が、アメリカでは「幸せの黄色いリボン」の歌が生まれた
夕張の家の前で、竿いっぱいにはためいていた黄色いハンカチ。夢に出てきた黄色も、帰る場所で誰かが灯りをつけて待っている色として、朝まで覚えておいていい。

関連する項目
金色・紫・白・赤・黒・蝶・蛇・鳥・卵・蓮・太陽・財布・宝くじ・お金・車・歯・目・靴
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