火事

火事の夢は、大きな勢いと、入れ替わりの夢とされる。燃えているのは、古くなった考え、終わりかけた関係、手放す時期の来たもの。炎は、それを焼いて場所を空ける力で、夢占いでは、燃え上がる火事の夢はむしろ吉夢として読まれてきた。読み分けの鍵は、火の勢いと、自分の動きと、燃えた場所。炎が高く上がっていたか、煙ばかりだったか。見ていたか、逃げたか、消したか。燃えたのは自分の家か、よその建物か。
火事の夢の意味
夢占いでは、火は気持ちの熱と、生きる力を表す。火事はそれが家や建物を包むほど大きくなった姿で、情熱、怒り、焦り、どれであれ、胸の内の熱が強まっているときに見る。
同時に、火事は古いものを燃やして失くす夢でもある。燃えたあとには、何もない土地が残る。そこに新しく建てられるので、火事の夢は、終わりより始まりに近い。
読み分けの鍵は三つ。
- 火の勢い:炎が高く明るかったなら、勢いがそのまま運に向かう。煙が多くくすぶっていたなら、出しきれない思いがこもっている
- 自分の動き:眺めていたか、逃げたか、消したか、誰かを助けたか
- 燃えた場所:自分の家か、実家か、学校か、職場か(下の「どこが燃えたか」)
状況ごとの読み
激しく燃え上がる火事の夢
空を焦がすほどの炎が上がる夢は、火事の夢のなかでいちばんの吉夢。運気が一気に燃え上がる知らせで、仕事でも恋でも、止まっていたことが大きく動き出す。炎を見て怖いより、きれいだと感じたなら、その勢いを自分のものにできる。火事の夢が宝くじと結びつけて語られるのも、この燃え上がる勢いから。→ 宝くじ
煙だけの夢・黒い煙と白い煙
炎が見えず、煙ばかりが立ちこめる夢は、気持ちがくすぶっている夢。言えずにいること、燃やしきれない思いが胸にこもっている。黒い煙なら、不安や苛立ちがふくらんでいる。白い煙なら、こもっていたものが抜けはじめていて、事態は好転へ向かう。→ 黒、白
火事から逃げる夢
燃える建物から逃げ出す夢は、大きな転機の夢。今いる場所から離れたい気持ちが強まっていて、その一歩が近づいている。無事に逃げ切って助かったなら、苦しい状況を抜けられる。荷物をまとめて逃げる準備をしていた夢なら、変化を迎える支度が、心の中ではもう始まっている。
逃げ遅れる・火事で死ぬ夢
炎に巻かれる夢は、目覚めてもしばらく胸が苦しい。けれど夢占いでは、火事で死ぬ夢は生まれ変わりの夢。古い自分が焼けて、新しい自分が立ち上がる。燃えたのは自分の命ではなく、脱ぎ捨てる時期の来た殻。
火事を消す夢
ボヤを自分で消した、台所の火をとっさに消した夢は、燃え上がりかけた気持ちを、自分の手で収められる夢。怒りや焦りに振り回されずにいられる。消えきらずに燃え広がったなら、その気持ちはまだ出口を探している。無理に抑えず、どこかで燃やしてやると落ち着く。→ 水
消防車・消防士が来る夢
サイレンが近づいて、消防士が火を消してくれる夢は、困ったときに助けてくれる人が現れる知らせ。一人で抱えていたことを、誰かに預けていい時期。
人やペットを助ける夢
燃える家から子どもや家族を助け出す夢は、トラブルを解決する力が自分にある夢。犬や猫を抱えて逃げた夢は、自分の中の柔らかいところ、大事にしたい暮らしを守ろうとしている。→ 犬、猫
爆発して火事になる夢
爆発から火が広がる夢は、ため込んでいたものが一気に外へ出る夢。心の重荷を下ろせる時期で、言えずにいたことを言える機会が来る。
火事を遠くから見ている夢
野次馬のように火事を眺めている夢は、まわりの騒ぎや人の噂に心が引かれている夢。自分の家でないなら、その勢いは自分の外で起きている。巻き込まれずに眺めていられたなら、落ち着いて見届ければいい。
火事の夢ばかり見る
火事の夢が続くのは、胸の内の熱が、出口を見つけられないまま燃え続けているから。やりたいこと、腹を立てていること、どれに火がついているかを書き出してみる。熱の行き先が決まると、夢の炎は静まっていく。
どこが燃えたか
- 自分の家:自分自身と暮らしが、大きく入れ替わる。家の中が燃えていたなら、変化は内側から来る。→ 家
- 実家:家族の中に大きな勢いが生まれる。→ 実家
- 近所・隣の家:まわりの人との関係が揺れる。隣の家の火が自分の家へ移らなかったなら、その揺れは遠巻きに過ぎていく
- 学校:義務や決まりごとから解き放たれたい気持ち。荷物を運び出していたなら、そこで身につけたものは持って出られる
- 職場・前の職場:仕事のストレスが、外に出たがっている。前の職場が燃えたなら、あの頃の思いに区切りがつく
- 車:進む向きや、自分で動かしてきたものの入れ替わり。→ 車
- 山火事:自分ひとりでは抱えきれないほど大きな勢い。→ 山
- 神社:古いものが祓われる、大きな切り替わり。→ 神社
日本の言い伝え
- 火事と喧嘩は江戸の花:家が建て込んだ江戸では火事が多く、駆けつける火消しの働きぶりは華やかで、人が集まって見物するほどだった。「花」は、見栄えのするもののこと。火事は、町の暮らしにいつもついて回るものだった
- 火迺要慎(ひのようじん):京都の愛宕山の山頂にある愛宕神社は、全国におよそ900ある愛宕神社の総本社で、火伏せの神として信仰されてきた。授かる「火迺要慎」のお札は、家の台所に貼って火事除けにする
- 秋葉さま:静岡県浜松市の秋葉山本宮秋葉神社は、火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)をまつる、火防の神の総本宮。江戸時代の中頃から、秋葉講を組んで秋葉山へ詣でることが江戸などで大流行した
- 荒神さま:台所のかまどには、三宝荒神がまつられてきた。火を司る荒々しい神で、かまどの火を守ることが、一家の暮らしを守ることだった
タロットでは
- 塔:高い塔に稲妻が落ち、頂の冠が飛ばされ、窓から炎が噴き、二人の人が真っ逆さまに落ちていく。ウェイトはこの札を、偽りの家が引き裂かれる札と書いた。崩れるのは、もう支えにならない土台のほう。家が燃える夢と同じく、壊れたあとの空き地に次が建つ
- 節制:翼のある天使が、片足を水に、片足を陸に置いて、二つの杯のあいだで水を注ぎ移している。ウェイトは、この札の働きを、心と物とを和らげ、混ぜ合わせ、調和させることと書いた。燃え上がる火事の夢を見た朝にこの札が出たなら、夢の中の大きな炎は、荒神さまのかまどに収まる火の大きさに戻り、今日の暮らしを温める側に回っている

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