試験

試験の夢は、自分が今、何かに試されていると感じている夢とされる。仕事の評価、人からの期待、自分で決めた目標。学校を出て何年たっても、責任の重い日の前になると、夢は試験場の机に自分を座らせる。焦って目が覚める夢だが、夢占いでは凶夢ではなく、本番の怖さを先に夢の中で使い切り、自分の力を確かめ直す夢として読む。読み分けの鍵は、何の試験だったか、手応えはどうだったか、結果はどうなったか。
試験の夢の意味
夢占いでは、試験は成長の機会と、評価への緊張の両方を表す。一段上へ上がる前の関門で、越えれば景色が変わる。まじめで、人の期待に応えようとする人ほど、試験の夢をよく見る。
読み分けの鍵は三つ。
- 何の試験だったか:入試か、資格か、学校の定期テストか。試験の種類が、今の自分が向き合っている場面を指している
- 手応え:すらすら解けたか、手が止まったか、白紙のままだったか
- 結果と、目が覚めたときの気持ち:受かった喜びか、落ちた悔しさか、ただ焦っていたか
状況ごとの読み
試験で焦る夢
時計ばかり気になる、手が震えて字が書けない。試験の夢でいちばん多い形で、起きている間の忙しさと緊張が、そのまま夢に流れこんでいる夢。焦っていても最後まで席を立たなかったなら、ふんばる力は十分に残っている。
問題が解けない夢
問題を読んでも意味が分からない、知らない言葉ばかり並んでいる夢。自分の力をまだ信じきれていない知らせ。準備は足りているのに、心のほうが「足りない」と言っている。知っているはずの問題が解けない夢なら、答えは自分の中にもうある。落ち着いて一問ずつ手をつける時期。
答案が白紙・白紙で出す夢
名前しか書けないまま時間が過ぎる、白紙の答案を出してしまう夢。何をすればいいか分からなくなっている夢で、抱えている課題が大きすぎて手のつけどころを見失っている。ただ、白紙は、これから何でも書ける紙でもある。白紙を出して気持ちが軽くなっていたなら、一度まっさらにして始め直していい。→ 白
勉強していないのに試験の日が来る夢
「今日が試験だと知らなかった」「一度も授業に出ていない科目だった」という夢。準備が追いつかないまま、大事な場面が迫っている気がかり。大人になってから見るなら、仕事で求められていることに、まだ自信を持てずにいる。夢の中で慌てて教科書を開いたなら、備える力はもう動き出している。
時間が足りない・間に合わない夢
解き終わらないうちに「やめ」の声がかかる夢。やることに対して、時間が少なすぎると感じている夢。夢占いでは、動くのにふさわしい時がまだ来ていない、とも読む。急ぐより、今の予定を一つ減らす。→ 時計
試験に遅刻する・会場にたどり着けない夢
遅刻の夢は 遅刻 に、試験会場で迷う夢は 迷う に書いた。どちらも、大事な機会を取り逃がすことへの怖れ。
忘れ物をする夢
受験票や鉛筆を忘れる夢は、自分の中で何かを置き去りにしている気がかり。忘れた物が何だったかが鍵で、受験票なら自分の立場や資格への不安、筆記用具なら、自分の力を出す手段への不安。
カンニングする夢
夢占いでは、カンニングは自分の力より、近道や人の助けに頼りたくなっている夢。うまくいったなら、今の問題は周りの力を借りれば解ける。見つかった夢なら、今のやり方を変える時期。
試験に落ちる夢
不合格の夢は、準備が足りないのではという焦りが形になった夢。夢占いでは、試験に落ちる夢はむしろ運気が上向く前触れとされ、落ちて泣いた夢は、胸につかえていたものが流れて問題が解ける方へ向かう知らせ。試験前に見たなら、心が本番の怖さを先に使い切っている。昔から夢は逆夢と言われ、悪い夢は人に話すとよいともされる(母親)。落ちる夢そのものの読みは 落ちる に。
試験に合格する夢
合格発表で自分の番号を見つける夢は、積み重ねてきたことが実を結ぶ吉夢。試験の前に見たなら、心がもう合格した自分を先に見せている。試験のあと、結果を待つ間に見たなら、やりきった手応えが夢に出ている。
試験を受ける夢・試験の夢ばかり見る
ただ試験を受けているだけの夢は、新しい段階へ上がる入口に立っている夢。何度も見るなら、ずっと同じ一つの関門を前にしている。どの科目だったか、どの席に座っていたかを書き留めておくと、今の自分が何に試されていると感じているかが見えてくる。
大人になって見る試験の夢
社会人になっても、センター試験や学校の定期テストの夢を見る人は多い。夢占いでは、大人の見る試験の夢は、仕事や家庭で、責任を問われる場面が近づいている知らせ。
西洋にも同じ夢の話がある。フロイトは『夢判断』で、大学を出た人がいつまでも卒業試験に落ちる夢に追われることを書き、ある同僚の言葉を紹介している。試験の夢は、実際にその試験に受かった人だけが見て、落ちた人は見ない、というもの。明日に責任の重い仕事を控えた夜、夢は、かつて怖がったけれど結局は通り抜けた試験を選んで見せる。夢が言っているのは「明日を怖がらなくていい。あのときも怖かったけれど、何も起こらなかった」という慰めだ、と。
大人になって試験の夢を見たら、夢の中の試験場は、もう一度通り抜けた場所。司法試験や国家試験、資格試験のように、実際に受けた試験が出てきたなら、あのときの自分が、今の自分の背中を押しに来ている。
受験の縁起
- 天神さま:学問の神として知られる菅原道真をまつる天満宮・天神社は、受験生の合格祈願の中心。境内の撫で牛の頭を撫でて学業の成就を願う。→ 牛、雷、神社
- 五角鉛筆:五角(ごかく)が合格(ごうかく)に通じることから、五角形の鉛筆が合格鉛筆として天満宮で授けられ、受験生のお守りになっている
- キットカット:九州の言葉の「きっと勝つとぉ(きっと勝つよ)」に響きが似ていることから、受験生の間で自然にお守りとして広まった。1990年代の後半、九州で年末から1月にかけて売れ行きが伸び、親や友人が受験生に贈っていたことが分かったという
- カツ:試験の前の日に、勝つにかけてカツを食べる
- すべらない砂:電車が坂で車輪を空回りさせないよう、レールに撒く滑り止めの砂。鉄道会社が「すべらない」お守りとして受験生に配ることがある。→ 電車
- 落ちないりんご・登竜門:嵐に耐えて枝に残ったりんごの話は 落ちる に、急流を登りきった鯉が龍になる話は 鯉・龍 に
夢と科挙
中国の科挙は、官吏を選ぶための、千年以上続いた試験だった。科挙を受ける人々にとって、夢は結果を先に知らせてくれるものでもあった。
- 邯鄲の夢:唐の『枕中記』の話。出世を夢見る青年・盧生は、邯鄲の宿で道士の呂翁から不思議な枕を借りて眠る。夢の中で彼は科挙に及第し、高い位に昇り、無実の罪で落とされ、また返り咲いて、一生を生き切る。目が覚めると、宿の主人が炊いていた黍(きび)の飯は、まだ炊き上がっていなかった。試験に受かる夢は、中国でも昔から人の見る夢だった
- 于謙祠の祈夢(きむ):杭州の西湖のほとりに、明の忠臣・于謙をまつる祠がある。明の万暦の頃から、科挙を控えた読書人たちは、冬至の前の夜にこの祠に泊まり、于謙に夢を授けてもらって行く末を占った。清の初め、無錫の鄒忠倚(すうちゅうい)は、夢で于謙から瓜の種を一握りもらい、数えると五十四粒あった。のちに妻が瓜の種で遊んで「状元」の二字を並べると、ちょうど五十四粒だった。まもなく鄒忠倚は科挙で首席の状元となった、と清の筆記は伝える。祠には今も、夢を祈るための祈夢殿がある
タロットでは
試験そのものを描いた札は無い。量られること、腕を認められること、しばられて動けないことを描いた札を挙げる。
- 正義:二本の柱の間に座り、右手に剣を立て、左手に天秤を持つ人物。ウェイトは、ひとりひとりをその行いに応じて扱う道理を描いた札とし、公正と、ふさわしい側の勝ちを読んだ。試験の夢のあとにこの札が出たなら、積み重ねてきたものは、そのとおりに量られる
- ペンタクルの3:修道院の中で、石工が壁の彫りものに取り組んでいる。ウェイトは、ペンタクルの8で金貨を彫っていた弟子が、報いを受けて本気の仕事に就いた姿だと書き、腕のある仕事と名声を読んだ。合格の夢と同じ場所、見習いを抜けた先を描いた札
- ソードの8:目隠しをされ、体を縛られた女性が、地面に刺さった八本の剣に囲まれて立っている。ウェイトは、これは取り返しのつかない束縛ではなく、しばらくの足止めの札だと書いた。問題が解けない夢、白紙のまま時間が過ぎる夢と同じ、動けない一瞬を描いている
ソードの8の女性の足は縛られていない。剣の囲いには隙間があり、目隠しを外せば、歩いて出られる道が見える。鄒忠倚が数えた五十四粒の瓜の種のように、夢の中で手渡されたものは、目が覚めてから一粒ずつ数えればいい。

関連する項目
遅刻・落ちる・迷う・時計・白・牛・雷・鯉・龍・神社・電車・母親
今日の一枚
大アルカナから一枚。
