昔の友達

夢に出てくる昔の友達は、その友達といた頃の自分を連れてくる。夢が見せているのは、相手の今の暮らしではなく、今の自分の人づきあいと、あの頃に置いてきたもの。楽しく遊んだ夢なら、あの頃の素直さを今の自分が取り戻したがっている。気まずかった、仲間外れにされた夢なら、古い痛みがようやく表に出て、ほどけはじめている。読み分けの鍵は、夢の中の二人の距離と、目が覚めたときの気持ち、そして今の自分の周りの人間関係。
昔の友達が夢に出てくる意味
夢占いでは、昔の友達は過去の人間関係の見直しと、今の人間関係の映しの二つを表す。今の職場や家庭で言えずにいること、足りていない気安さが、いちばん気を許していた頃の顔を借りて出てくる。
読み分けの鍵は三つ。
- 夢の中の二人の距離:並んで笑っていたか、遠くから見ていたか、背を向けられたか
- 目が覚めたときの気持ち:温かかったか、寂しかったか、ざわついたか
- 今の自分の周り:新しい環境に入ったばかりか、人に合わせて疲れていないか
状況ごとの読み
何度も・毎日出てくる
同じ友達ばかり夢に見るのは、その友達が象徴しているものを、今の自分が必要としているとき。思い出してみる。その子の何が好きだったか。まっすぐ物を言うところか、一緒にいると笑えたところか。その答えが、今の自分に足りなくなっているもの。何度も見るうちに夢の場面が少しずつ変わっていくなら、自分の中で整理が進んでいる。
疎遠になった友達が出てくる
理由もなく自然に離れた友達が出てくる夢は、自分の暮らしの節目に見やすい。引っ越し、転職、家族が増えたとき。あの友達と過ごした頃の自分と、今の自分を並べて、どこまで来たかを確かめている夢。夢の中で近況を話し合えていたなら、離れていた時間ごと、自分の歩みを認められている。
小学校・中学・高校の同級生、学校が舞台の夢
教室や校庭、通学路が出てくる夢は、その頃の自分の年齢が鍵になる。小学校なら、損得なしに笑えていた自分。中学・高校なら、周りの目と自分らしさのあいだで揺れていた自分。今、人の評価を気にしすぎていないかを、同じ揺れを知っている同級生が見に来ている。学校で遅刻する・試験に遅れる夢は → 遅刻、試験
楽しく遊ぶ夢・再会する夢・同窓会の夢
昔の友達と屈託なく遊ぶ夢は、心が軽くなっている吉夢。張りつめていた時期を抜けて、人との縁がまた温まっていく知らせ。久しぶりに再会する夢や同窓会の夢は、止まっていた何かが動き出す夢として読まれる。大勢の中で自分が笑っていたなら、人の輪が広がる時期。
気まずい夢
目も合わせられない、何を話していいか分からない。気まずさが残る夢は、あの頃に言いそびれたことが、まだ自分の中にある知らせ。謝りたかったのか、分かってほしかったのか。夢の中で一言でも交わせていたなら、その言いそびれは、もう半分ほど外へ出ている。
喧嘩する夢・喧嘩別れした友達・絶縁した友達
夢の中で言い争うのは、飲み込んだ言葉がようやく出口を見つけた夢。泣きながら言い返せたなら、あの頃の自分の気持ちを、今の自分が代わりに言ってあげられた。自分が悪かったと感じて目覚めたなら、自分を責める気持ちを手放す時期に来ている。夢の中で仲直りできたなら、その関係は自分の中で静かに収まった。現実の相手と会うかどうかとは別に、区切りはもうついている。
仲間外れにされる・無視される・ハブられる夢
いちばんつらい夢のひとつ。夢占いでは、仲間外れの夢は、今の居場所で自分が浮いていないかという不安が、いちばん覚えのある形で出てきたものとされる。当時本当にそういう思いをした人ほど、夢が鮮明になる。
ただ、夢の中でその場面を見ているのは、今の自分でもある。あの頃は一人で耐えるしかなかった場面を、大人になった自分が外側から見ている。目が覚めて胸が痛んだなら、その痛みを覚えている自分を、今の自分が拾い上げに来た夢として受け取っていい。
いじめっ子や嫌いだった同級生が出てくる夢
苦手だった相手が今さら出てくる夢は、不快で、怖い。夢の中のその人は、本人ではなく、自分を押さえつけてきたものの姿。今の暮らしに、同じように自分を小さくさせる人や場所がないかを、夢が指さしている。夢の中で言い返せた、背を向けて歩き去れたなら、その力はもう自分にある。こういう夢は、悪い夢を流す言い伝えのとおり、流してしまっていい(→ 母親、父親)。
異性の昔の友達・同級生の夢
恋心の無かった異性の友達が出てくる夢は、恋の夢というより、気取らずに話せる相手を求めている夢。夢の中でどきどきしたなら、恋の運が動き出す兆しとしても読まれる。初恋の相手だったなら → 初恋の人、好きな人
昔の友達がたくさん出てくる夢
いろいろな時期の友達が一度に集まる夢は、自分の歩いてきた道をまとめて振り返る夢。人生の区切りに見やすい。みんなが笑っていたなら、これまでの縁が今の自分を支えている。
昔の友達から連絡が来る夢
過去から知らせが届く夢。途中で置いてきた趣味や夢、昔の自分が大事にしていたものが、もう一度手招きしている。連絡そのものの予告として読むより、何の知らせだったかを考えるほうが、夢の中身に近い。
友達が死ぬ夢
驚いて目が覚める夢だが、夢占いでは、死は終わりと始まりの印。その友達と過ごした時期が自分の中で終わりを迎え、次の関係が始まる夢として読む。見送る場面があったなら → 葬式。友達の結婚式の夢は → 結婚
亡くなった友達が出てくる夢
→ 亡くなった人
いつの友達か
- 幼なじみ:いちばん素の自分。飾らない自分に戻りたくなっている
- 小学校の友達:好きなことに夢中になれた頃。遊び心を取り戻す時期
- 中学・高校の友達:仲間と自分のあいだで揺れた頃。今の人間関係の悩みが重なっている
- 大学・若い頃の友達:何者になるかを選んでいた頃。進む道を選び直す時期に来ている
- 昔の親友・元親友:いちばん深く分かち合った人。その関係にあった信頼を、今の誰かとのあいだでも育てられる。友達の家が出てきた夢は → 実家
夢を見たあと、連絡するか
「夢に出てきたのは、相手も自分を思い出しているから」と考える人もいる。夢で会うのは想いが通うから、という考え方は昔からある(→ 好きな人)。
夢の中で会えたなら、会いたい気持ちは、もう半分ほど夢の中で果たされている。連絡したくなったなら、年賀状や短い一言で軽く扉を叩くこともできるし、連絡しないままでいても、夢の中で交わした言葉は自分の中に残る。つらい思い出のある相手なら、会い直さなくても、夢の中で区切りはつく。
日本の言い伝え
- 紫式部の、幼なじみとのめぐりあい:百人一首の「めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな」。『新古今和歌集』の詞書によれば、幼い頃の友達と何年もたってから行き会ったのに、ほんのわずかな間で、七月十日頃の月と競うように帰ってしまったときの歌。久しぶりの友とすれ違うように別れる心残りは、千年前の平安の都でも歌になっていた
- 夢で会うのは想いの通い:恋しい人が夢に現れるのは相手が想っているから、という万葉の考え方は 好きな人 に
- 悪い夢を流す:逆夢、夢違観音、獏の言い伝えは 母親・父親 に
タロットでは
以下はウェイト版の絵柄。
- カップの6:古い庭で、子どもたちが花を満たした杯を手にしている。ウェイトは「過去と思い出の札」とし、同時に「新しい関係、新しい知識、新しい環境」と読む別の読み方もあげた。昔の友達の夢の日にこの札が出たなら、夢は懐かしさと一緒に、これからの新しい縁も見せている
- カップの3:庭で、娘たちが杯を高く掲げ、互いに祝い合っている。満ち足りた喜びと、事の良い結末の札。楽しく遊んだ夢のあとに出たなら、今の自分の周りにも、杯を掲げ合える人がいる
- ソードの5:勝ち誇った男が剣を抱え、肩を落として去っていく二人を見送っている。地面には剣が落ちている。仲間外れや喧嘩の夢のあとにこの札が出たなら、去っていく二人の背中の側に、今の自分の新しい道がある
紫式部が行き会った幼なじみのように、昔の友達は夢の中でも、ほんの少しだけ顔を見せて雲に隠れる。夢で会ったあの子の顔をまだ思い出せるうちに、カップの6の子どもたちが杯に満たしていた花のように、その頃の自分が好きだったものを一つ、今日の暮らしに戻してみるといい。

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大アルカナから一枚。
