髪の毛

髪の毛は、生命力と、これまで積み重ねてきた時間と思いの象徴とされる。髪はゆっくり伸び、切っても抜けても、また伸びてくる。だから髪を切る夢は区切りと再出発、抜ける夢は何かを手放す夢として読まれる。読み分けの鍵は、自分から切ったのか、人に切られたのか、勝手に抜けたのか。そして目が覚めたとき、すっきりしていたか、失ったような寂しさが残っていたか。
髪の毛が夢に出てくる意味
夢占いでの髪は、自分の力と魅力、それに心に絡んでいる思い。長い髪ほど、長く抱えてきたものを表す。
読み分けの鍵は三つ。
- 誰がそうしたか:自分で切ったなら、自分で決めた区切り。人に切られた、勝手に抜けたなら、思いがけず訪れる変化
- 量と長さ:少しか、ごっそりか。短くなったか、伸びたか
- 目覚めの気持ち:軽かったなら、その変化はもう受け入れられている。喪失感が残ったなら、手放すものへの名残がまだある
状況ごとの読み
髪を切る夢
多くは吉夢。古い自分から一歩抜けて、新しく始めたい気持ちの夢で、仕事、暮らし、恋愛のどこかに変わり目が来ている。美容室で切ってもらい、仕上がりに満足していたなら、人の手を借りて新しい面が引き出される時期。
自分で髪を切る夢
自分の手で切る夢は、断ち切りたい思いを、自分で断ち切ろうとしている夢。迷いや執着を、もう終わりにすると決めかけている。
髪を切るのに失敗する夢
切りすぎた、ガタガタになった夢は、変わりたい気持ちと、変わることへの不安が、まだ噛み合っていない夢。焦って決めると後で気になる。形を整えるのに、もう少し時間をかけていい。
ばっさり短くなる・坊主になる夢
ショートや坊主になる夢は、縛られていたものから解き放たれる夢。すっきりしていたなら、大きな決心がもうついている。女性が坊主になる夢でも、夢占いでは覚悟と出直しの夢で、下の「言い伝え」にある、髪を下ろして生き方を改めた人たちの像に重なる。
髪を切られる夢
知らない人や、望まない相手に切られる夢は、自分の意思と関係なく、何かが変えられていくことへの気がかり。切った相手が知っている人なら、その人から受けている影響が、今の自分には少し強い。→ 知らない人
髪が抜ける夢・抜け毛の夢・はげる夢
髪がごっそり抜ける夢は、怖い夢として検索されることが多い。夢占いでは、力を使い果たして、いったん空っぽになっている知らせ。張り詰めてきた時期のあとに見やすい。同時に、抱えすぎていた思いがまとめて抜け落ちていく夢でもある。抜けた髪を拾い集めていたなら、まだ手放しきれない。そのままにして歩き出していたなら、身軽になる。
白髪になる夢・白髪を抜く夢
白髪になる夢は、意外にも吉夢とされる。経験がまとまり、人から頼られる知らせ(→ 白)。白髪を見つけて抜く夢は、年を重ねることを、まだ受け入れきれずにいる夢。太い白髪を抜いてほっとしたなら、気になっていた小さな心配が片づく。
髪が伸びる・長くなる夢
急に髪が長くなる夢は、力と魅力が満ちてくる夢。恋愛運が上がる時期ともされる。伸びすぎて重かったなら、抱えている思いが多すぎる。
髪を染める夢
染める夢は、今と違う自分を見せたい気持ち。明るい色なら前向きな変化、青のような意外な色なら、まだ誰にも見せていない面を出してみたくなっている。金色なら → 金色
髪を洗う・とかす夢
髪を洗う夢は、心のもつれを洗い流す夢。泡がよく立ち、すっきりしたなら、悩みが晴れる。髪をとかす夢は、絡まった考えを一本ずつほどいている夢で、櫛がすっと通ったなら、ほどけるのは近い。
口から髪の毛が出る夢・口の中に髪の毛がある夢
口や喉から、髪の毛がずるずると出てくる夢。気味の悪い夢として検索が多いが、夢占いでは、言えずに飲み込んできた言葉や思いが、外へ出ようとしている知らせ。引き出して楽になったなら、その思いは口に出していい時期に来ている。取りきれずに苦しかったなら、まだ自分の中で言葉が絡まっている。
食べ物に髪の毛が入っている夢・大量の髪の毛の夢
食べ物に髪の毛が混じる夢は、楽しみや受け取るものの中に、小さな気がかりが紛れ込んでいる夢。人からの好意に、少し引っかかりを感じている。床一面に髪の毛が落ちている夢は、思いが散らばって、まとまりがつかない状態。
髪にまつわる言い伝え
- 髪は女の命:長く美しい髪は、女性の命にたとえられるほど大事なものとされてきた。黒髪の艶をほめる「烏の濡れ羽色」は カラス
- 髪を下ろす:出家して仏門に入ることを、髪を下ろすと言う。男は髪を剃って僧に、女は髪を切りそろえて尼になった。身分の高い人の出家は落飾とも言う。長徳2年(996年)、一条天皇の中宮定子は、兄弟の罪で邸が捜索されるさなか、自ら鋏を取って髪を切り、尼になったと『栄花物語』は伝えている。髪を切ることは、それまでの生き方を終わらせることだった
- 失恋すると髪を切る:恋が終わると髪を切る、という話は今もよく言われる。髪に絡んだ思いを、切って落とすように
- 髪置き(かみおき):幼い子が初めて髪を伸ばし始めるときの祝い。江戸時代は、武家や町の人々は3歳の11月15日に行うことが多かった。小笠原流では、子の頭に白髪(しらが)をかたどったものをかぶせ、無病と長寿を祈った。今も七五三の3歳の祝いに名残がある
世界の象徴としての髪
旧約聖書の士師記に出てくるサムソンは、生まれたときから髪を切らない誓いを立てられた、怪力の勇士だった。恋人デリラに問い詰められ、力の秘密は髪にあると打ち明けてしまう。眠っている間に髪の七ふさを剃られ、力は去り、敵に捕らえられて、目をえぐられ、牢で臼をひかされた。
タロットでは
ウェイト版には、髪を主役に描いた札は無い。読みが重なるのは次の3枚。
- 隠者:白いひげの老人が、ランタンを掲げて山の頂に立つ。ウェイトはこの姿に、旧約の「日の老いたる者」を重ねた。ダニエル書で、その髪は混じりけのない羊の毛のように白いと書かれる。白髪の夢のあとにこの札が出たなら、積み重ねてきた年月が、灯りとして人を導く時期
- 星:裸の女性が、長い髪を背に流し、水辺にひざまずいて二つの水差しから水を注ぐ。ウェイトは、この姿は永遠の若さと美しさを表すと書いた。髪が伸びる夢、髪を洗う夢と同じ、満ちてくる力の札
- 力:女性が、ライオンの顎を静かに閉じている。怪力のサムソンも、若い頃に素手で獅子を裂いたと語られる。髪を切られる夢、抜ける夢のあとにこの札が出たなら、力は失われていない
士師記は、牢で臼をひかされるサムソンについて、短くこう書き添えている。剃られた髪は、また伸び始めた。

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