鍵

鍵は、開けることと閉めることを、自分の手で選ぶための道具として読まれてきた。扉の向こうへ進む力と、自分の内側を守る力。夢の鍵は、その両方が今どこにあるかを映す。鍵をなくす夢も、開かない夢も、夢占いでは閉ざされた知らせではなく、次の扉の前に立っている知らせとして読む。日本では、稲荷の狐が神様の蔵の鍵をくわえ、神社には心の扉を開く鍵のお守りがある。西洋では、聖ペテロが天国の鍵を預かった。
鍵の夢
鍵の夢が表すのは、機会、秘密、心を開くこと、そして守り。鍵を手にしている夢は、何かを始める力を持っている時期の夢で、多くは吉夢とされる。
読み分けの鍵は三つ。
- 鍵を手にしたか、失ったか:もらった、拾った、見つけた、なくした、折れた
- 開けようとしたのか、閉めようとしたのか:開ける夢は進む気持ち、閉める夢は守りたい気持ち
- 何の鍵だったか:家の鍵は自分の心と暮らし、車や自転車の鍵は動き出す力、ホテルやロッカーの鍵は一時的な居場所や、預けているもの
鍵をなくす夢・鍵を探す夢
いちばん多く検索される鍵の夢。何かを始めるきっかけや、自分の気持ちに入っていく手がかりを、見失っている感覚の表れ。忙しさの中で、自分が何をしたかったのかが見えにくくなっているときに見る。
探し回っても見つからなかったなら、今までの扉とは別の入口を探す時期。見つかった夢なら、見失っていたものに、もう手が届いている。
鍵が開かない夢
鍵穴に合わない、回らない、開けたいのに開かない。扉の前まで来ている夢。望んでいることはすぐそこにあるのに、まだ時期が来ていないか、使っている鍵が今の自分に合っていない。別の鍵を試していた夢なら、やり方を変えれば開く。
鍵穴をのぞく夢は、知りたいこと、まだ見せてもらえないものへの思いが強くなっている。
鍵が閉まらない・かからない夢
自分を守る境目が、薄くなっている夢。人に踏み込まれすぎている、断りたいことを断れていない。玄関の鍵なら暮らし全体、トイレの鍵なら一人になる時間が足りていない。→ トイレ
誰かに外から鍵を開けられる夢も同じ読みで、心の中に、許していないのに入ってこられている場所がある。→ 知らない人
鍵をかける・閉め忘れる夢
しっかり鍵をかけて安心した夢は、守るべきものが分かっていて、自分で守れている。閉め忘れて慌てた夢は、気づかないうちに、自分の時間や力を開けっぱなしにしている。
鍵を拾う・もらう夢
鍵を拾う夢は、思いがけない機会や、問題を解く手がかりが足元にある夢。たくさん拾ったなら、選べる道がいくつもある。
鍵をもらう夢は、誰かから信頼を預けられる夢。合鍵をもらったなら、その人との距離が縮まり、心の内側に入っていい、と言われている。恋愛の相手なら関係が深まり、仕事の相手なら、新しい役目を任される。
鍵を人に渡す夢は、自分の心を開く準備ができている。
ホテル・ロッカーの鍵の夢
ホテルの部屋の鍵は、しばらく身を置く場所の鍵。旅先の部屋に入れた夢なら、仮の居場所で、新しい自分を試せる時期にいる。同じような扉がいくつも並んでいて、自分の部屋が分からなかったなら、行き先を選びかねている。→ 迷う
ロッカーの鍵は、預けたままにしているものの鍵。開けたロッカーに何が入っていたかが、しまい込んできた気持ちの手がかりになる。空っぽだったなら、もう取りに戻らなくていい。
鍵が折れる・壊れる夢
鍵穴の中で折れる、鍵そのものが壊れる夢は、今までのやり方では、もう開かない扉がある知らせ。今の立場や関係の中で、古い鍵を使い続けていないかを見る時期。壊れた鍵を手放して、新しい鍵を作る夢なら、切り替えはもう始まっている。
金の鍵・古い鍵・鍵束の夢
- 金の鍵:鍵の夢のなかでもいちばんの吉夢。大きな機会や、ずっと開けたかった扉が開く。→ 金色
- 古い鍵:昔の自分が持っていた力や、忘れていた記憶を開ける鍵。懐かしさを感じたなら、その頃の自分が今の答えを持っている
- 鍵束:手にしている可能性がたくさんある。どれが合うか分からず困っていたなら、一つに絞る時期
現実で鍵に起きること
- 鍵をよくなくす:スピリチュアルでは、自分の心の入口を見失っている、忙しさで自分の中に帰れていない、と読む
- 鍵が折れた・壊れた:スピリチュアルでは、古い扉が閉じて、別の扉が開く合図とされる。新しい鍵に替えて、区切りにする
- 鍵を拾った:交番に届けたあとで、自分にも何かが開く、と受け取る人が多い。スピリチュアルでは、行き詰まっていたことを解く手がかりが来る合図
日本の縁起
- 稲荷の狐の鍵:伏見稲荷大社などで、狐の像が口に鍵をくわえている。稲荷大神の宝蔵の鍵とされ、狐がくわえるもう一つの玉と合わせて、陰と陽、天と地を表す、とも説かれる。鍵は、神様の実りを受け取りたい願い。→ 狐、神社
- 東京大神宮の幸せ鍵守:「思い人」の心の扉を開き、相思相愛の願いを叶えるとされる、鍵の形のお守り。縁結びの神社として知られる東京大神宮で授与されている。→ 好きな人
タロットの鍵
ウェイト版で鍵が描かれているのは 教皇 の札。ほかに、閉ざされた扉や、閉じ込められることを描いた札が、鍵の夢と重なる。以下はウェイト版の絵柄。
- 教皇:二本の柱のあいだに座り、右手を上げて祝福する。足元には二本の鍵が交差して置かれ、二人の聖職者がひざまずく。ウェイトの解説書には、この札は「鍵の力」だとある。天と人のあいだの扉を開ける札。→ 神様
- 女教皇:二本の柱のあいだに座り、背後にはザクロの模様の帳がかかっている。帳の向こうは見えない。まだ開けられていない扉、秘密の札
- ソードの8:目隠しをされ、体を縛られた人が、8本の剣に囲まれて立つ。縛られているのは腕と体で、足は自由に動く。閉じ込められていると思い込んでいる札で、鍵が開かない夢と同じことを言っている
鍵の夢を見た日に 教皇 が出たなら、扉を開ける鍵は、もう足元に置かれている。
世界の象徴としての鍵
- 天国の鍵:新約聖書のマタイによる福音書で、イエスはペテロに「天の国の鍵を授ける」と言う。ペテロは鍵を持つ姿で描かれ、ローマ教皇とヴァチカンの紋章には、金と銀の鍵が交差している
- ヤヌス:古代ローマの、門と扉と始まりの神。前と後ろに二つの顔を持つ。オウィディウスは、右手に杖、左手に鍵を持つ姿で書いた。1月(January)の名はヤヌスに由来する
- 青ひげ:ペローの童話。妻は、一つだけ開けてはいけない部屋の小さな鍵を預かる。開けてしまった部屋で落とした鍵には血がつき、拭いても拭いても落ちなかった。鍵は、知ってしまったことのしるしになった
- 21歳の鍵:イギリスでは、21歳の誕生日に、銀の鍵の飾りを贈る習わしがある。成人が21歳だった頃、自分の家の鍵を持ち、好きに出入りしていい年になったしるしだった
イギリスの21歳が受け取る銀の鍵は、自分の家の扉を、自分の手で開け閉めしていいという許しだった。夢で鍵を探していたなら、探しているのは、次に自分で開けたい扉の鍵になる。

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