麻薬

麻薬の夢は、夢占いでは疲れた心の「楽になりたい」という願いと、自分を縛っているものの姿とされる。夢の中の麻薬は、現実の薬そのものより、今の自分が頼りすぎているもの、手放せなくなっているもの、逃げ込みたい場所を表す。見て不安になる夢だが、夢はそれを、責めるためではなく、気づかせるために見せている。読み分けの鍵は、自分から手を出したか勧められたか、断れたか、そして夢の中の自分が心地よさを感じていたか、後ろめたさを感じていたか。
麻薬が夢に出てくる意味
夢占いでは、麻薬の夢は心と体の疲れの知らせ。がんばり続けて、どこかで一息つきたい、何も考えずにいたい、という気持ちが、夢の中でいちばん手っ取り早い形をとって出てくる。
同時に、麻薬は抜け出しにくいものの姿でもある。やめたいのにやめられない習慣、離れたいのに離れられない相手、考えるのをやめられない心配ごと。夢の中の麻薬は、それを一つの形にまとめて見せている。
読み分けの鍵は三つ。
- 誰が持ち込んだか:自分から手を出したか、誰かに勧められたか
- どう向き合ったか:使ったか、断ったか、捨てたか、隠したか
- 夢の中の気持ち:楽だったか、怖かったか、後ろめたかったか。後ろめたさが強いほど、自分を縛るものに、心はもう気づいている
状況ごとの読み
麻薬を使う・吸う夢
自分で使う夢は、癒やしがほしい、現実から少し離れたい気持ちの夢。休む間もなく動いているとき、気持ちを張り詰めているときに見やすい。夢占いでは、判断が鈍りやすい時期の知らせともされる。大きな決めごとは、よく眠ってからにする。夢の中で心地よかったなら、それだけ今の自分は休みを必要としている。
やめられない・依存してしまう夢
夢の中でやめられなくなっていた夢は、やめたくてもやめられないものを抱えている知らせ。それは物や癖のこともあれば、人間関係や、同じところを回り続ける考えのこともある。夢は、その正体を見えるところに出してきている。
麻薬を勧められる夢
誰かに差し出された夢は、まわりからの誘いや影響の夢。楽な道に引き込まれそうになっている、断りにくい相手がいる。勧めてきたのが知っている人なら、その人との付き合い方を見直す時期。知らない人なら、自分の中の「楽なほうへ」という声が、人の姿を借りて出てきている。→ 知らない人
無理に使わされる夢
自分は望んでいないのに使わされた夢は、人の考えや場の空気に、知らないうちに染められている知らせ。断れない頼みごと、合わせ続けている付き合い、自分のものではない期待。夢の中で抵抗できなかったのは、現実でも「いやだ」と言う余地が小さくなっているから。誰に使わされたかを思い出すと、距離を取りたい相手が見えてくる。使わされたあと、夢の中で逃げ出せたなら、その場を離れる力はまだ残っている。
麻薬を断る夢
はっきり断れた夢は、麻薬の夢のなかでいちばん力のある夢。流されずに、自分で選ぶ力が戻ってきている。目の前の誘いに乗らずに済んだ感覚が残っていたなら、現実でも、手放したかったものから一歩離れられる。
麻薬で捕まる・警察に見つかる夢
捕まる夢は、自分で自分を責める気持ちの夢。自分で決めたきまりを破っている、人に知られたくないことがある、と感じていると見やすい。夢占いでは、まわりの目が厳しくなる知らせとも読まれる。捕まってほっとしたなら、隠しておく重さから解かれたがっている。
麻薬を隠す・運ぶ夢
隠す夢は、人に言えずにいることの夢。過去の失敗、しまいこんだ気持ち。運ばされる夢なら、自分の望まない役目を背負わされている重さが出ている。
家族・恋人・友達が麻薬を使う夢
身近な人が使っている夢は、その人への心配、あるいは、その人との間の距離の変化の夢。夢の中の出来事で、その人の身の上を告げるものではない。旦那や彼氏なら、相手が自分の知らない場所へ行ってしまうような寂しさ。元彼なら、終わった関係に自分がまだ引かれている部分。→ 旦那、元彼
麻薬を捨てる・やめる夢
捨てる夢、やめると決める夢は、手放す準備ができた知らせ。頼っていたものから離れて、自分の足で立ちはじめる。捨てたあと、手の中が軽かったなら、その軽さがそのまま答え。
何度も見る夢
麻薬の夢が続くのは、疲れが抜けきっていないか、同じ一つのものから離れられずにいるから。夢の中で、勧めてきた相手、場所、自分の気持ちのうち、毎回変わらないものを書き留めておく。断る、捨てる、立ち去る。夢の中の自分の動きが一つ変わると、夢も変わっていく。
見た自分を責めなくていい
麻薬の夢を見て、自分がそういうものに惹かれているのではと不安になる人は多い。けれど夢の中の麻薬は、多くの場合、休みたい気持ちと、ほどきたい縛りの姿。現実に、やめたくてもやめられないものを抱えている人がこの夢を見ることもある。そのときの夢も、責めるために来てはいない。見えるところに出てきたものは、もう半分、ほどけはじめている。
言い伝えと物語
- 邯鄲の夢:唐の小説『枕中記』の話。貧しい若者の盧生は、邯鄲の宿で道士の呂翁から、栄華が思いのままになるという枕を借りて眠った。夢の中で五十年あまり、富も位も極めた一生を送った。目が覚めると、宿の主人が炊いていた黄粱(あわ)はまだ炊き上がっていなかった。日本では能「邯鄲」にもなり、はかない栄華のたとえとして語られてきた。心地よさだけでできた夢から覚めて、湯気の立つ鍋の前に戻ってくる話
- 断ち物の祈願:京都の安井金比羅宮は、悪縁を切り良縁を結ぶ社として知られる。祭神の崇徳天皇が、讃岐の金刀比羅宮で一切の欲を断ち切って籠もったことから、断ち物の祈願所になった。願いを書いた形代を持って、大きな碑の穴を表から裏へくぐって悪縁を切り、裏から表へくぐって良縁を結ぶ。切れるとされる縁は男女の縁だけでなく、病気、酒、煙草、賭け事にも及ぶ
タロットでは
- 節制:天使が、片足を大地に、片足を水に置いて、二つの杯のあいだで命の水を注ぎ移している。ウェイトは、この札の力が心に働くとき、心と体の性質をほどよく和らげ、混ぜ合わせ、調和させる、と書いた。麻薬の夢を見た日にこの札が出たなら、求めていたのは、何かに溺れることではなく、この杯のようなほどよい休み
- ソードの8:目隠しをされ縛られた女性のまわりに、剣が立っている。ウェイトは、取り返しのつかない束縛ではなく、一時の足止めの札と書いた。→ 追いかけられる
- 悪魔:祭壇の上に悪魔が立ち、祭壇の前の輪から二本の鎖が伸びて、男女二人の首にかかっている。ウェイトは、二人の上に立つ者はいつまでも主人でいるわけではなく、今もまた自分自身が縛られた者だ、と書いた。今の読み手の多くは、首の鎖の輪がゆるく、自分の手で頭から外せる大きさに描かれている、と読む。やめられない夢、捕まる夢を見た日にこの札が出たなら、鎖はもう目に見えている。見えた鎖は、輪をくぐって外すことができる。安井金比羅宮の碑の穴を、表から裏へくぐり抜けるように

関連する項目
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