エレベーター

エレベーターの夢は、自分の足ではなく、周りの流れに運ばれて上がったり下がったりしている夢とされる。階段なら一段ずつ自分で上るところを、エレベーターは箱ごと運んでいく。だからこの夢には、人事や異動、周りの決定、急に動き出した状況など、自分ひとりでは動かせない流れの中にいる今が映る。上がれば運気の上昇、下がれば流れの落ち着き。読み分けの鍵は、どちらへ、どんな速さで動いたか、そしてそのかごの中で、自分がボタンを押せていたかどうか。
エレベーターが夢に出てくる意味
夢占いでは、エレベーターは心の状態や、周りの環境の変化を表す。上へ運ばれれば、運気や立場が上がっていく。下へ運ばれれば、勢いがゆるみ、足もとへ戻る時期。
読み分けの鍵は三つ。
- 動いた向きと速さ:静かに上がったか、一気に上がったか、急に落ちたか、横に動いたか
- ボタンを押せたか:自分で行き先を選べていたなら、流れの中でも舵は自分の手にある。押しても反応しない、ボタンが無いなら、今は行き先を周りに預けていると感じている
- 扉が開いた先:降りた階が明るかったか、見知らぬ場所だったか。そこが、流れが自分を運んでいこうとしている場所
エレベーターは、ほかの人と同じかごに乗り合わせる乗り物でもある。誰と乗っていたかも、下の節で読む。
状況ごとの読み
エレベーターで上がる・急上昇する夢
静かに上へ運ばれていく夢は、運気が上向き、周りの後押しで立場が上がっていく吉夢。一気に高速で上がっていったなら、昇進、合格、大きな話がまとまるなど、物事が急に進む。上がる速さが怖かったなら、その変化を喜びながらも、心が追いついていない。
止まらない・屋上を突き抜ける夢
ボタンを押しても止まらず、上へ上へと昇っていく。最上階を越えて、屋根を突き抜けて空へ出てしまう。流れの勢いが、自分の思っていたところを越えていく夢。空に出て気持ちよかったなら、思い描いていた以上の場所へ行ける時期。怖かったなら、周りの期待が大きくなりすぎて、自分で止めどころを見失っている。どこで降りたいかを、自分の中でひとつ決めておくといい。空を飛ぶ夢につながったなら → 飛ぶ
エレベーターで下がる夢
ゆっくり下りていく夢は、勢いが落ち着き、足もとへ戻る夢。下がる夢を凶とする読みもあるが、上がりすぎた状態から、地に足のつく場所へ戻るとも読める。上がったあとに下がったなら、ひと区切りついて一息つく時期。下がったあとに上がったなら、いったん沈んでから持ち直す流れ。
エレベーターが落ちる夢
急にかごが落ちて、胃が浮くような感覚で目が覚める。エレベーターの夢のなかでいちばん多く検索される夢。夢占いでは、頼っていた流れや足場が、急に不安定に感じられている夢。会社や家庭、人との関係など、自分では支えられないものに身を預けているときに見やすい。
最後に止まった、助かった夢は、思っていたより支えがしっかりしている知らせで、助けてくれる人に恵まれる夢とされる。何度も見るなら、ひとつの不安定な状況への怖れがずっと続いている。家族や他人が乗ったエレベーターが落ちる夢は、その人との関係が変わることへの自分の気がかりで、その人の身の上を告げる夢ではない。落ちる夢全般は → 落ちる
横に動く・斜めに動く夢
上下にしか動かないはずのエレベーターが、横へ滑り出す。思ってもいなかった方向から、道が開ける夢。昇るか降りるかだけで考えていたことに、別の選択肢がある。楽しかったなら、その意外な道は自分に合っている。不安だったなら、今の変化が予想の外にあって戸惑っている。
閉じ込められる・止まってしまう夢
かごが途中で止まり、扉も開かない。身動きの取れなさ、息苦しさの夢で、自分の殻にこもっているとき、周りと話が通じにくいと感じているときに見る。慎重になっている心が、そのまま止まったかごになって出てくることもある。非常ボタンを押せた、外と話せたなら、助けを呼べば応えてくれる人がいる。やがて動き出したなら、止まっていた件は時間とともにまた動く。
乗れない・乗り遅れる夢
目の前で扉が閉まる、満員で乗れない。機会を逃したくない焦りの夢。準備が整っていないと感じているときにも見る。次のかごがすぐ来たなら、機会はまた巡ってくる。時間に追われる焦りが強かったなら → 遅刻
降りられない・目的の階に着かない夢
降りたい階で扉が開かない、ボタンを押しても違う階に着く。行きたいところへ、自分の意思で降りられないもどかしさ。周りの都合に振り回されている。建物の中をさまよう夢に続いたなら → 迷う
ボタンがない・押せない夢
行き先のボタンが見つからない、押しても光らない夢は、自分の決定権を、どこかに置いてきている夢。今の流れの中で、自分が選べることを一つだけ探すと、夢の中にもボタンが戻ってくる。
扉が閉まらない・勝手に開く夢
扉がいつまでも閉まらない夢は、踏ん切りがつかない夢。出発したいのに、何かが心に引っかかっている。勝手に開いた扉の先が明るかったなら、思いがけない入口が向こうから開く。扉のないエレベーターは、自分を守る境目が薄くなっている。
古い・狭い・壊れたエレベーターの夢
古くてきしむエレベーター、壊れているエレベーターは、今のやり方や仕組みが、もう自分に合わなくなってきた夢。無事に目的の階に着けたなら、古い仕組みでも最後まで運んでくれる。
エレベーターと宝くじ
一気に上がる夢は、運気が急に上がる夢として、金運や宝くじと結びつけて読まれることがある。明るいかごで高く運ばれた夢なら、なお。宝くじの夢全般は → 宝くじ
エスカレーターの夢
エスカレーターは、エレベーターよりゆるやかに、ほかの人と一列になって運ばれる。周りと同じ流れに乗って、少しずつ進んでいる夢。上りなら順調、下りなら力を抜く時期。
誰と乗っていたか
- ひとりで:自分の力で流れをつかもうとしている。ひとりが心細かったなら、相談できる相手がほしい
- 知らない人と:これから関わる人、まだ形のない不安。怖い人だったなら、今の環境で気を張っている。→ 知らない人
- 好きな人・家族と:その人と同じ流れに乗っていたい気持ち。一緒に上がったなら、関係が進む。→ 好きな人
- 満員で:人の多さに押されている。周りに合わせすぎて、自分の居場所が狭くなっている
言い伝えと物語
エレベーターは新しい乗り物で、昔からの言い伝えは無い。そのかわり、始まりの話がいくつか残っている。
- 凌雲閣のエレベーター:1890年、東京・浅草に建った十二階建ての塔、凌雲閣に、日本で初めての電動式エレベーターが据えられた。10人乗りのかごが2基、1階から8階までを上り下りした。けれど故障が続いて、翌年の5月には使えなくなり、客は階段で上った。エレベーターが戻ってきたのは、20年以上あとの1914年
- 出世の石段の横:東京・愛宕神社の「出世の石段」の脇には、今はエレベーターもある。石段を上る人と、エレベーターで上る人が、同じ山の上の社に着く。→ 階段、神社
- 綱を切った男:1854年、ニューヨークの博覧会で、エリシャ・オーチスは自分を乗せた台を高く吊り上げ、見物人の前でその綱を切らせた。台は落ちずに、その場で止まった。綱が切れたら自動で止まる、安全装置の実演だった。オーチスはそのとき「みなさん、無事です、無事です」と言ったと伝えられる
- ガラスのエレベーター:ロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』で、ウォンカ氏のガラスのエレベーターは、上下だけでなく「横にも、斜めにも、思いつくどんな方向にも」動く。最後にウォンカ氏は、何年も押してみたかったという「上へ、そして外へ」のボタンを押し、エレベーターは工場の屋根を突き破って、空へ飛び出していった
タロットでは
ウェイト版にエレベーターの札は無い。運ばれて上がり、また下がる動きに重なる札を挙げる。
- 運命の輪:大きな輪の右側を、犬の頭をしたヘルマヌビスが輪と一緒に上がっていき、左側を蛇のテュポーンが下っていく。てっぺんには剣を持ったスフィンクスが座る。ウェイトは、この絵を流れ続ける宇宙と人の生の移ろいとし、スフィンクスをその中の釣り合いとした。エレベーターの夢を見た日にこの札が出たなら、上がるのも下がるのも輪の回り。自分はスフィンクスのように、かごの中で落ち着いていればいい
- ワンドの8:八本の棒が、ひらけた土地の上を斜めに飛んでいく。ウェイトは、動かないものの中を抜けていく動きであり、それでも棒は行く先に届こうとしている、と書いた。止まらないエレベーターや横に動くエレベーターの夢のあとにこの札が出たなら、その勢いは、もう着く場所のそばまで来ている
- 塔:雷に打たれた塔から人が落ちる。エレベーターが落ちる夢と同じく、崩れるのはもう自分を支えていない足場のほう。→ 落ちる
オーチスの台は、綱が切れても落ちなかった。凌雲閣の客は、エレベーターが止まった日も、階段を上って展望室に着いた。夢のエレベーターで落ちたり止まったりした日も、自分を受け止めるものと、別の上り道は、ちゃんと用意されている。

関連する項目
階段・落ちる・宝くじ・迷う・遅刻・飛ぶ・知らない人・好きな人・神社
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大アルカナから一枚。
